労働契約に関する基本ルールを明文化した労働契約法が1日に施行された。パートなどの働き方が多様化する中で、企業側からの一方的な労働条件の引き下げなど増え続ける労使間のトラブルを予防、解決し非正規雇用者の保護強化が期待される。
同法は労働契約について「労使の対等の立場における合意に基づいて締結、変更する」とし、使用者による一方的な労働条件引き下げができないことを明示。また、正社員か非正規雇用者かといった雇用形態にかかわらず、就業実態に応じて処遇の均衡を考慮するよう求めている。
さらに、契約社員など期間が区切られている有期雇用に関し、やむを得ない理由もなく契約途中で解雇できないことや、「契約期間を必要以上に細切れにしないよう配慮」する規定が盛り込まれている。正社員に比べると、不利益を被りやすいパートタイム労働者や派遣労働者など非正規雇用者の立場を守るための条文が明示されている。
一方、昨年の臨時国会で、自民、公明の与党と民主党との修正協議の際、公明党の主張により、同法第3条3項に、「仕事と生活の調和に配慮」しつつ労働契約を締結、修正すべきことが明記された。同法の理念にワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の重要性が盛り込まれたことにより、不当な長時間労働などに対し、一定の歯止めとなることが期待される。
同法制定の背景には、パートなど雇用形態の多様化や個別労働紛争の増加などがある。これまでは、紛争の解決手段として裁判や個別労働紛争解決制度、労働審判制度などの手続き面では整備されてきたが、労働契約に関する民事的なルールを定めた法律がなかったため、紛争の防止や個別の労働関係を安定させる施策が不十分だった。都道府県労働局や主要労働基準監督署が受け付ける相談は、06年度は約95万件に達し、このうち民事上の解雇や労働条件変更などの相談が、18万7387件に上っている【グラフ参照】。
(2008年3月3日付 公明新聞)